償却資産申告の3つのポイント
1年に一度償却資産申告の作業も発生します。
償却資産申告も税務会計顧問サービス内で実施しますので、安心して税理士法人小林会計事務所にお任せください。
償却資産のポイントは以下の3つです。正しい知識で確実に申告を行いましょう。
・固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者に対して課税される
・購入金額が10万円未満のものは資産計上しないのが原則
・償却資産は事業者が1月1日現在で所有する資産のリストを、1月31日までに市町村に報告する
償却資産税のしくみ
償却資産は1月1日現在おいて固定資産を所有する人に対して毎年課税される税金です。
土地や建物については登記情報に基づいて毎年1月1日現在の所有者に対して課税されます。
同様に自動車についてもナンバー登録制度があるので、自動車税という税目で毎年課税されます。
ところが、企業が購入して使用しているパソコンや机などの備品はどこにも登録制度がなく、これらも明らかに固定資産なので課税したいが、そのままでは方法がありません。
そこで事業者が所有する器具備品については、事業者からの報告によりその所有情報を収集するしくみになっています。
償却資産の申告とは、事業者が1月1日現在おいて所有する以下に掲げる資産のリストを、毎年1月31日までに報告することです。
申告するのは資産の名称と購入金額、耐用年数などであり、最終的な課税評価額は課税する市町村が決定します。
課税対象となる償却資産の種類と具体例
資産の種類 | 具体例 |
構築物および建物付属設備 | 外構工事、内装工事、塗装路面、内部造作など |
工具・器具および備品 | 机、椅子、ロッカー、金庫、パソコン、コピー機など |
機械装置 | 工作機械、建設機械、印刷機械、機械式駐車場など |
船舶 | ボート、釣り船、貸し船など |
航空機 | 飛行機、ヘリコプター、グライダー、飛行船など |
車両 | 大型特殊自動車、構内運搬車など(自動車税の対象とならないもの) |
申告の考え方
一般的な企業の場合、通常の申告では「建物付属設備」「器具および備品」が代表的な申告資産になります。ということは、会社に備え付けられている固定資産台帳に計上されている資産リストそのものになります。
実際のところ、形が固定資産であっても購入金額が10万円未満のものについては法人税の計算において一括損金処理をすることが認められています。(すなわち経費として落とし資産には計上しない)そして償却資産の申告においても、このような少額資産は課税対象とされません。
原則として会計処理で資産に計上されるものが償却資産の課税対象になります。
具体的な手続き
償却資産税は地方税になるので、申告は資産が所在する市町村単位に行います。
初年度の申告は、所有する資産のすべてを「種類別明細書(全資産用)」という用紙に記入して提出し、2年目以降は「増減申告」といって、増えた資産/売却した資産を記入して提出します。電子申請の場合には、毎年全資産申告をします。
償却資産をまったく所有していない、もしくは数10万円程度しかない場合には、市町村によっては葉書サイズの回答書を返送するだけでよい場合もあります。送付されてくる用紙に応じて柔軟に対応します。
償却資産の申告書を提出して納税が決まると、5月初旬に納税通知書が届き、同月から4回にわけて納付する事になります。
免税点の話
償却資産税には150万円という「免税点」があります。課税評価額が150万円以下なら課税されません。
ただし免税点は基礎控除ではないので、150万円を超えると全体に課税されます。